ナローバンド撮影用メイン機材AskerFMA180Proツイン
ナローバンド撮影のメイン機材の概要
このサイトのタイトルにもなっている「DEEP SKY STUDIO」の深宇宙を写真に収めるためのメイン機材です。AskerFMA180ProにZWOの電動フィルターホイールminiとAIS533MMが付いたツインです。撮影は基本ナローバンドのSAOかLRGB。撮影時間を短縮するために左右のフィルターホイールに、SAOなら「SAとO」、LRGBは「LとRGB」に分けて設定しています。またマウントは自宅屋上で使用する場合はEQ5GOTOのモーターコントローラーにRJ45のシリアル(EQDIRECT)ケーブルで接続。遠征用はAZ-GTiを使用しRJ12のシリアル(EQDIRECT)ケーブルで接続できるよう電源コードと一体化し2セット準備しています。
撮影機材の重要なポイント
- 一番の要は「AU117-MORE BLUE小型双眼組用 目幅調節装置」。今まではカメラレンズのNIKKOR300mmと500mmそれぞれ2本でツインを試してきましたが、レンズを載せるのにズッシリ重いプレートと微動雲台を使用していたためポータブル赤道儀での運用はかなり厳しかったのですが、この双眼システムを知って軽量化とともにシンプルな構成が図れました。
- ASI533MM。冷却CMOSで手ごろな価格て購入できる1インチモデル。スクエアな画角は賛否両論ですが、光学系の中心の良質な画像を使えるのは魅力的です。アンプグローやホットピクセルがほとんど出ないのでダークフレームを撮影しなくても良質な画像が得れます。バイアスとフラットはフィルターのゴミなどの影響を取り除くため必須です。
- AskerFMA180Pro.リニューアルして使いやすくなったモデルです。口径わずか40mm、焦点距離180mm、f4.5ですがASI533MMとの組み合わせでかなり多くの散光星雲が撮影できそうです。画角が必要な時はAPS-Cのデジカメのツイン仕様にもできます。
- AZ-GTi。昨年天体撮影を始めてから早い時期に新品で購入した機材です。今は2セットあります。この時はコストを抑えるために1.5kgのウェイトを2個、ホームセンターのボルトとナットで作りました夜露に濡れてサビてしまいました・・・。撮影システムの重量約5kgとウェイト3kg、合計8kgを載せて赤道儀仕様で運用していますが、今のところ大きな問題もなく1~2秒以内ガイド精度動いています。三脚に載せた時に、重心が真ん中に来るように、アリガタのプレートをMORE BLUE160mmに交換しています。名人会のつまみも。
- ASIAIR mini。ガイドシステム最初はPCからPHD2でEQ5を運用していましたが、ASIAIR PRO PlusとiPadで運用するようになってその便利さを知りました。このツインシステムでは軽量コンパクトを優先し、miniを2セット購入しました。プレートソルビングでの導入機能は素早く再現性に優れているため複数日での撮影データも積み重ねて利用でき、デジタル現像には欠かせない機能です。1台でツインのコントロールができると嬉しいんですが。
撮影機材の収納~分解組み立て
保管は安価な収納ボックス(幅38×奥行54.5×高さ32cm)にETSUMI ウレタンフォーム ブロック型 60mmで型を作り入れ、シートタイプのシリカゲルシートをかぶせています。組み立てはアリガタに通してネジを締め、ケーブルをつなぐだけで完成です。といううかここまで分解することはありません。基本、本体とマウント、そしてコードの接続で完了します。MORE BLUE双眼装置のプレートに直接AskerFMA180Proを付けるとフィルターホイールの幅が取れないので、左右に拡張するためにSmallRigのビデオプレートをかませています。ネジ穴の間隔が微妙に違うけど何とか付けれました。フィルターホイールには入っているフィルターのメモが(仮で書いたのがそのまま)ついてます。そしてASIAIRminiにもどちらか間違えないようついています。ガイドスコープはSVBONY SV165でAquila レンズヒーターEZが巻いてありますが、メイン用は昔買った大きなCOOWOO レンズヒーター USB5Vす。電源は別に30000mAhモバイルバッテリーを用意しています。
撮影機材の電源供給
配線ですが電力系はメイン(写真上部の左用)のASIAIRminiに12V6Aを供給。そこからもう一台の右用ASIAIRmini、左用のASI533MM、AZ-GTi、ガイドスコープレンズヒーターの4つに供給。右用ASIAIRminiはMAX12V3Aしかないので、右用のASI533MMのみの接続です。これで電力供給は問題ないようですが、右用のASI533MMのクーリング速度は若干落ちます。マウントはAZ-GTiもEQ5も問題ありません。
システムのコントロール
システムのコントロールにはASIairアプリをインストールしたipad2台を使用しています。一台のipadは長く眠っていた2世代目の代物ですがここで多いに役立っています。さすがに初代ipadはうまく使えません。ipadが2台あることでプレビュー画面を比較しながら左右の位置合わせができとても便利です。
今後の課題
実際に運用して一番の課題は左右のカメラの傾きです。マウントが反転した時の垂直方向のズレも同様です。目測で合わせていると画像処理の際にズレが生じて画角をロスする結果になります。それからレンズヒーターももっとコンパクトにしたいところです。今後撮影を重ねていくと改良したい点が出てくるかもしれません。その都度修正していきます。
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