GINJI-150FN購入から調整までの日々

3日好転が続くとお腹いっぱいになるけど、2日悪天候だとあれこれ組み替えてみたりして、不要なパーツをポチってしまう哀しい性。調整が大変そうなので今まで手を出さなかった反射望遠鏡ですが悪天候の友として、中古のGINJI-150FN+コマコレクターのセットを購入してみました。10月初旬に届いた機材を今日まで日々調整とテスト撮影を繰り返してやっと撮影で使用できるレベルになったので、その経過を紹介します。

10月9日着荷~分解~風景撮影

鏡筒が届いたので早速開封・分解し確認。前使用者が鏡筒内に植毛紙を貼り斜鏡止め付近に乾燥空気を入れるバルブを設置してあるが乳白で光が漏れそう。さらに斜鏡の調整ネジが蝶ネジになっているがシルバーなのが気になる。おっと!鏡筒が真円ではない!というか外径176㎜の規格に対し、長辺は180㎜、短辺は170㎜くらい!原因は鏡筒バンド。鏡筒バンドを外すと多少元に戻るがいろんなところに悪影響が出そう。でも鏡筒バンドは直せそうにない。

気を取り直して組み立てコマコレクターを付けて風景を撮影してみる。まるで像の鼻のように長い!これは歪みそう。通常でもフォーカスポイントが100㎜外にあり、専用のコマコレを付けるとさらにプラス30㎜、コマコレ自体が50㎜あってそのバックフォーカスが70㎜±10㎜・・・フルサイズで若干蹴られるくらいでよさそうに見える。

10月10日ファーストライト

雲の合間を狙ってテスト撮影。システムはASIAIRで組んでマウントはEQ5。ターゲットはアンドロメダ。とりあえず撮って四隅をipadでチェック。オー!コマコレのバックフォーカスを調整してみるがなかなかよくならない。そのまま撮影開始して・・・

10月14日主鏡マスク作成

まず主鏡マスクをつけてみる。材料は黒の0.5mmのプラ板を内径144㎜でサークルカッターで切り出し、植毛紙を貼り作成。GINJIの主鏡は押さえが鏡筒ギリギリに設置されていて通常の主鏡押さえの上には取り付けれない。主鏡の台とフレームが分かれていてそれを押し引きして主鏡の調整を行う。なので主鏡マスクはフレームの奥側(前方)に取り付ける。

10月15日2ndライト

スケアリングを調整するアダプターを組込み、2度目の撮影。ターゲットは光芒がわかりやすいM45・・・。スケアリングとバックフォーカスの調整で2時間費やし、やっとの撮影。・・・色収差・光軸のズレ・迷光などなど・・・まだまだ。中心しか使えないのでフルサイズの意味なし。

10月20日MCPP着荷~3rdライト

SNSで勧められていたバーダーのMCPPの中古を前日天文ハウスさんに発注、本日着荷。早速比べてみる。本体も短くフォーカスも伸びないし、バックフォーカスも55㎜±1㎜の標準仕様。これで少しはコンパクトになりそう。早速M45を撮影して比較。対応はAPSCサイズなのでカメラはNEX5R。

10月25日4thライト

迷光対策でフードを作成。材料は0.5㎜プラ板に植毛。今夜は穏やかな天候なので3ターゲットを撮ってみる。M31、M45、M42。カメラはa6400のノーマル機。そしてflatも撮ったが合わないでフィルターのゴミが円形に映り込んだ・・・ミス。星像はだいぶ良くなってきた。

10月26日5thライト~迷光対策

夕方セッティングしていると夕陽が鏡筒を照らし、モニターが漏れた光で赤くなった。どうやらドローチューブから光が漏れていそう。対策としてドローチューブの隙間全周に黒紙を差し込み迷光カットとともにガタもなくす。さらにブラックのリストバンドで接合部分を覆う。ターゲットはM42。バックフォーカスを55㎜~プラス1.5㎜まで確認するがピタリとはいかない。4隅で変形が異なる感じ。

10月30日鏡筒延長~8回目のテスト撮影

スケアリングのズレはドローチューブからカメラの接続までが長すぎるのが原因のようなので、ガチっと収まるよう、鏡筒は延長し光路長を確保。ドローチューブが鏡筒内に出ない25㎜のところでコマコレクターがガチっと収まるポイントを狙う。GIBJI150FNの鏡筒延長は思ったより簡単。押しネジと引きネジを必要な分長いものに変更し、空いた隙間を隠すだけ。主鏡の安定感が心配だったが、思ったより安定している。月明りが厳しいのでL-eXTremeフィルターで馬頭星雲付近を撮る。アルニタクがどう写るかも見たい。

10月31日MCPPコマコレボアアップ48㎜化

またまた頂いた情報により42㎜径で運用していたMCPPコマコレを48㎜径でのセッティングにしてみました。42㎜はフルサイズで撮影すると周辺が真っ黒でFlatが合わない事態が発生していました。フルサイズは無理でもこれでAPSCは快適にとれそうかな~ただ、今の構成ではアジャスターが無くなったのでバックフォーカスの実妙な調整ができません・・・しかし星像はかなり良くなりました。オリオン大星雲はノーマルカメラの短時間撮影でもそれなりに写るのが魅力ですね。まだ斜鏡マスクをつけてないので光芒が割れています。

11月2日アンドロメダ銀河を追加撮影

2夜連続でアンドロメダ銀河を撮影。露光時間が12時間を超えたのでUP12h企画として仕上げました。これくらい露光すると思い切ってストレッチしてもバックグランドが痛むことはないですね。

11月3日斜鏡マスク取付

もっと早く着けたかったのですが、発注していた斜鏡マスクが完成して届きました。CADは使えないのでイラストレーターで作った図面をPDFで送って「きりたいドットコム」に発注していました。1.6㎜厚の鉄製で価格は送料込み6000円。オーダーから10日ほどで着荷。カツカツの寸法で設計したのでうまく収まるか心配しましたがジャストピッタリでした。筒内側をマットな不滅インキで塗って取り付けています。

そしてこれで今夜撮影します。大きな改修はこれで完了のつもりです。食わず嫌いな反射鏡でしたが150cmF4の鏡筒がこの価格で手に入るのであればかなり魅力的ですね。もう少し大きな鏡筒も・・・ほしくなる・・・かも・・・ね~

斜鏡マスクを付けて撮影した画像

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