天体撮影 L-eXtreme VS SV220 フィルター比較
※2023年9月6日に網状星雲を対象にしたテストを追加しました。
今回は光害地では期待の必須アイテム、デュアルバンドフィルターの撮影比較を行ってみた。
比較したのは、価格が倍ほど違う OptolongのL-eXtremeとSVBONYのSV220。
天体撮影機材概要
SVBONYのSV220 7nmデュアルバンドフィルター 定価税込19,800円(販売価格20%OFF15,180円)
OptolongのL-eXtreme 7nmデュアルバンドフィルター 定価税込39,600円(販売価格)
望遠鏡 REDCAT51ツイン カメラ Sony NEX-5R赤外改造機(5500k設定) マウント AZ-GTi(オーバーウェイトです)
※L-eXtreme撮影カメラには自前改造の400-700nmUVIRフィルター、SV220撮影カメラにもUVIRフィルターが付いているが詳細不明
天体撮影概要
撮影日:2023年9月3日深夜 撮影場所:西宮市の自宅屋上(光害地)
撮影対象:IC1396
撮影:SS30秒 ISO3200 dark、flat、bias
加工処理:DSSで有効100枚程度でインテグレート、PIで簡単に下処理してオートストレッチのみ
※ 風が吹いて薄雲がかかる状況での短時間撮影のため画像はかなり粗い
結論
価格ほどの差はないように思えるが・・・
同じ光源でのflatの適正露光時間は1/20秒で全く同じだったので、光の通過量はほぼ同じ。
但し、仕上げた写真ではOptolongのL-eXtremeの方がHaの写りがよい、SVBONYのSV220の方が街灯や月の光の被りが若干大きい。つまりHa、O3ともにL-eXtremeの方がわずかにシャープに絞られているようである。
みなさんの評価はいかがでしょうか?
今回は天候もよくなく短時間の撮影だったので、次回はもう少しきっちり比較してみよう。
網状星雲を対象に追加テスト(2023/9/6)
初回のテストが短時間だったので翌晩追加テストを行った。対象もHaとO3を発する網状星雲。撮影機材は風があったのでマウントをEQ5に変更して行った。
天体撮影概要
撮影日:2023年9月5日深夜 撮影場所:西宮市の自宅屋上(光害地)
撮影対象:C33/C34
撮影:SS30秒 ISO3200 dark、flat、bias
加工処理:DSSで有効300枚弱でインテグレート、PIで簡単に下処理してオートストレッチと簡単な仕上げも行った。
結果
最初の画像はトリミング後オートストレッチのみを行っただけのもの。2枚目はABEで若干勾配補正を行ったて、BlurXTerminator、NoiseXTerminator後オートストレッチ。
SVBONYのSV220はO3の透過率が高くよく写るようです。その分、光害の影響も出ていますが補正できる範囲です。
OptolongのL-eXtremeは明らかにHaがシャープでよく写っています。
今回はそれぞれの特徴がよく分かりました。どちらもトータルの透過率は同じくらいなのでSVBONYのSV220は買いだと思いますが、皆さんはいかがでしょうか?
最終仕上げ
この2つのフィルターで撮影したデーターなら一緒に統合して使用できそうです。こんな感じです。