HyperStar用L-eXtremeF2&L-eXtreme&QBP比較

新機材C8HyperStarに通常の5nmナローバンドフィルターでSHO撮影を行ったところ、撮影した画像がかなり鈍い。処理すれば何とか見れる状態になるけど・・・波長がシフトして狙った波長の透過率はかなり低くなっているようです。しかしF2用のSHOフィルターを購入するには資金が・・・。そこで今回はL-eXtremeのF2フィルターを購入し、既存のL-eXtremeとの撮り比べを行ってみました。おまけでQBPを加えてみました。

撮影機材と条件

メイン機材:C8HyperStarV4(F2)+ASI071MCにL-eXtremeF2、L-eXtreme、QBP

サブ機材:SE80ED+0.8X(F5)+NEX-5R(天体改造、ASI071MCと同じAPSCセンサー)にL-eXtremeF2、L-eXtreme

露出は30秒×120枚 60分

PixinsightでWBPP処理

上記5種類のデータをPixinsightでWBPPで処理し、STFでオートストレッチした状態の画像です。

上左:C8HS+L-eXtremeF2、上中:C8HS+L-eXtreme、上右:C8HS+QBP

下左:SE80ED+L-eXtreme、SE80ED+L-eXtremeF2

上段のC8HSではL-eXtremeF2>L-eXtreme>QBPの順でコントラストが強くなっています。

また、露光量はQBP>L-eXtremeF2>L-eXtremeで3:1:0.8くらいでしょうか。

下段右のF5鏡筒にL-eXtremeF2は周辺の波長シフトが激しく色が変わってしまいました。

強力!Graxpertの勾配補正力

上記の5種類のデータの勾配補正をプラグインのGraxpertで行ってみました。結果はビックリ!一見すべて同じようなデータかと思うほどの補正力です。

拡大してみてみる

拡大してみてみるとさすがにC8HSとSE80ED露光量の差は歴然としていますね。F2とF5の光量差ほぼ6倍がそのまま画質に出ています。QBPは光量が多く、HaもO3も捉えていて星も多く写っていますし、それなりの写りではないでしょうか。

BXTとNXTで処理して仕上げ

こうなるとC8HSで撮影した3種類のデータは甲乙つけがたく、全ていい感じになりました。恐るべしGP/BXT/NXTの効果!

結果

1.オリジナルデータを見る限りC8HSにはL-eXtremeF2フィルターが効果的でしたがL-eXtremeもかなり使えそうです。このあたりは半値幅7nmが原因だと思われます。半値幅5nmのフィルターだとかなり露光量が落ちるはずです。

2.F5鏡筒にL-eXtremeF2フィルターはかなり厳しい結果でした。このような使い方する方はいないと思いますが。

3.C8HS(F2)の露光量はSE80ED(F5)の実質6倍程度を実現しているようです。

4.それにしてもここまで違う撮影データを均等に仕上げてしまうPixinsightのGP/BXT/NXTはすごすぎますね。機材より加工の方が費用対効果が高そうです。

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