Pixinsight StarNet2 vs StarXTerminator処理比較
2023年8月28日にPixInsight 1.8.9-2がリリースされ、ナローバンドのデータを処理する強力なツールNarrowbandNormalizationが導入されたと同時に、無償でインストールしていたStarNet2の対応が間に合わず一時的に使用できなくなった。そこでStarXTerminatorの試用版を利用した居たのだが、ついにStarNet2も最新アップデートで利用できるようになった。そので両方がインストールされている今、その加工能力の差について2つのデータで比較検証してみた。
M31アンドロメダ銀河ノーマルカメラによるデータ処理
まずは9月12日~15日、リゾート大島へ遠征した際に撮影したM31
撮影機材はRedcat51+a6400(ノーマル)+CLSフィルター、露光時間は180秒*291枚
このデータを単純にlinear dateにそれぞれ処理を行ってオートストレッチしたものです。色調整など他の処理は行っていません。
結果
思った以上にそれぞれの特徴が出た結果となりました。
StarNet2では星だけがStarに分離され、ハローはStarlessに残っています。結果Starlessの背景が汚くなってしまいましたが、このあたりはストレッチの度合いで調整の範囲でしょうか?。ただ明るい星の取り残しもいくつかあるのは残念です。一方StarXTerminatorではStarlessはきれいに見えますが、Starにはハローや淡い部分の取り込みが見られます。
私のPCでは1350万画素の処理時間はStarNet2が80秒、StarXTerminatorは110秒かかりました。
StarNet2のStarとStarXTerminatorのStarlessを組み合わせるといい感じかもしれませんね。
NGC7822のモノクロHaデータの処理
こちらも大島リゾートで撮影したナローバンドのデータで、わかりやすいHaのデータを同じように処理してみました。
撮影機材はFMA180+ASI833MM+Ha7nm。露光時間は180秒145枚。
結果
星像がシャープなのでブロードバンドのデータ程差さがわかりづらいですね。しかしよく細部を見ると同様の傾向がうかがえます。
729万画素の処理時間はStarNet2が40秒、StarXTerminatorは55秒です。
予算があれば対象によって使い分けたりできそうですが、そうでなければ無料のStarNet2でも十分使えると思えますがみなさんはいかがでしょうか。