光害地での撮影データを完璧に補正するGraXpert/Pixinsight

私は兵庫県西宮市の光害地にある自宅屋上をスタジオとして星空の撮影を行っています。南には6m道路を挟み阪神電鉄の高架が、その先には国道43号線、その上には阪神高速が走り目の前が芦屋インター。東は大阪、西は神戸、北東は宝塚の街灯に照らされています。なので低空での撮影は難しく、目安は無理して高度30度から、フィルターは必須です。そして広角は最初から諦めています。それでも撮影したデータは大きなグラデーションが写り込んでいます。今まではこの光害被りをABEやDBEで処理していましたが、かなり時間を要しますし、精度も対象によって違います。

2023年11月、そこに現れたのがGraXpertのPixinsight対応版です。早速導入して処理すると、一発で勾配補正を完了します。ところが初期版はPixinsightを再起動するたびにToolBoxごと消えてしまうとバグがありました。その後2回のアップデートを経て、現在バグなく快適に使用できるようになったので、その効果を紹介します。

バラ星雲~クリスマスツリー星雲周辺

私の機材の中ではかなり広角な部類の撮影です。MFA180ProにAPS-CのカメラにL-eXtrimeフィルターで撮影しています。当然、南(下)の方は光害被りが発生しています。左がオリジナル、右がGraXpertで加工したものです。見事に勾配補正され、コントラストや色味もよくなっています。(SPFでの比較)

オリジナル
GraXpert

ハート星雲~胎児星雲付近

こちらも同じ機材です。下部が東の低空の時に撮影しています。

左がオリジナル。中央がGraXpert。右はABEで加工。対象が小さい(余白が広い)とABEでも効果的に補正できますね。

オリジナル
GraXpert
ABE

ハート星雲

最後はMT-160によるハート星雲のアップです。

1枚目がオリジナル。2枚目はABE。3枚目はDBE。4枚目はGraXpert。5枚目はGraXpertを仕上げたものです。対象が画面いっぱいに大きいとABEやDBEではなかなかうまく補正できませんし、うまくやるにはスキルが必要です。しかし、GraXpertでは一発で補正。素晴らしい結果です。

オリジナル
ABE
DBE
GraXpert
GraXpertを仕上

GraXpertは特にカラーカメラによる撮影の補正に効果的だと思います。モノクロではABEで十分効果的ですから。

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